ICE CANDY
イメージとしては鋭いアックスを「ガキーンガキーン」っと固い氷に突き刺し、氷点下の世界で上へ上へと登る姿。
バンフの映像でスウェーデンの地底に入り、洞窟の中にひっそりと形成された氷柱を登る男達を数年前に見ました。アックスを突き刺し、ブーツに取り付けられた前詰めを数センチ氷に刺して、プロテクション装備で何キロも重くなった身体を支えていました。不安定な氷柱は突如音をたてて崩壊し、何十メートルも下に落ち爆音を洞窟の中に響かせるのです。
そんな危険な冒険をしたいわけではないのですが、アイスクライミングというスポーツに何故か魅かれ始めていた矢先、Muntain Researchの小林さんに軽く誘われ、考える暇もなく「行きます」と答えました。
とは言え、アイスクライミングをするための装備は何も持っていないのが現状で、正直アウトドア業界にいながらもどのアックスが良いのかあんて知識は持ち合わせていません。
アイゼンと言えば下に向かってはえる爪しか使った事も無く、前爪なんて買う事も無いだろうと縁遠かったアイテムです。
クライミングの人工壁は馴染みのある存在ではありますが、氷の壁となると想像はつけども、それがどのような表情をしているのかは全く分かりません。氷と聞くだけでつるんとした滑らかな物体を思い描くのです。
長野県の小川山、クライミングをやっている人であれば誰しもがその場所を聞けばわかる日本のクライミング聖地とでも言うような場所。その懐に建つ岩根山荘の庭先に毎年11月頃から氷壁が作られます。
氷点下が常に保たれる地域でないと育つ事ができない氷壁は僕の想像とは異なり、ごつごつとしてつるっと丸みの帯びた所は無いのです。

そしていざ挑戦してみると、アックスを常に持っている性もあり、また登り方が分からない性もあり、たった一回だけの登りだけで腕がパンプしてしまうのです。
朝から講習を受け、夕方までずっと登りまくったのですが、やり終えてみるとロッククライミングとはまたひと味違うアウトドアスポーツに戸惑うどころか、完全にハマってしまう自分に気づき、ついにやっとしてしまうのです。

今年の冬はスキーだけじゃないアウトドアライフを楽しめそうです。
嵐洋



