とうとう、
とうとう、
とうとうレーシックしました。
目が悪くなってからコンタクトや、眼鏡で生活する事に苦しさを感じずっとやりたかっとこと。
でもちょっとびびりな僕はなかなか手が出せずにいました。
この業界に入ってからというもの、自然と触れ合うことが僕のライフスタイルの中に自然と浸透し、
そこにある世界を目で見て来た訳ですが、レンズを通してみる世界はそんなに奇麗ではありませんでした。
そして眼鏡やコンタクトは煩わしい。
小さい頃に親父と立山に登りに行った時の星空を見た時の感動をもう一度味わいたくて、雪の感触を手で触れて感じるのではなく、目で感じとりたいと思っていました。
それでシーズンインする前に手術をして来た訳です。
まずは検査を行い自分の目が術後どれくらい回復するのかを知り、2パターンある手術のどちらかを選ぶのですが、お金のない僕は安い方でという考えのもと、目に金具を押しあて眼球の薄い膜をペロっと
めくる(フラップ)方法に。(手術日に目に金具を当てるという行為がどれだけ怖い物なのか知る事になります。)
ちなみに料金が高い方は、金具を押し当てずレーザーでフラップを作り、そのまま違うレーザーを当てて視力回復ができます。
手術が開始されると流れ作業のようにベッドに寝かされ、「ハイ、始めます」の軽い挨拶から顔を固定され、目の周りを押し付けられ、いきなり金具を眼球に当てられます。
これの目の周りを押さえつけられる作業がけっこう痛く、手術を中断して逃げ出したくなります。
手術でまずフラップを作ると、目を通して入ってくる世界は白くぼやけます。
一人では歩く事ができず、看護士の方に隣のレーザー室に移されるのですが、この時の不安度はとんでもなく、「これで視力が回復しなかったらどうしよう」という考えばかりが頭をよぎりました。
看護士の方が1分ほど部屋から離れたのですが、その時の寂しさといったら、言葉では表現しきれません。手には汗がにじみ、目からは涙が出そうになりました。
担当医が来て目以外の箇所をすべて何か布のような物で覆われ、レーザー治療が始まります。
あまりの緊張と不安さで刺激された五感は目に映るもの、触れるもの、音、臭い、頭の中に入ってくる情報が爆発します。
まず光、目から入る映像はぼやけた緑色のライトだけ、僕の世界がそこだけになります。
そして臭い、レーザーを当てられてすぐに鼻をつく焼ける臭いが漂います。
この臭いで恐怖心が一層します。
次に音、片目が終わると目薬のような物を大量に眼球にかけられ、ジュワジュワ〜と熱した鉄板に水をかけた時の音が耳に入ります。
そして、顔をしたたる水が身体に直接手術をしている事を再認識させました。
人間が考え出したレーザー治療は両目でなんとやく30秒ほどで終了しました。
じゃあ「起きて下さい」の声で看護士さんの顔を見ると他所は知ろうぼやけているものの、
既にちょっと見えるようになっています。
すべてが終わると5分程で手術を行ったクリニックから出ました。
なんとも早い手術です。
それから外に出て周りを見渡すと徐々に視力が回復し、遠くの文字や人の顔が見えるようになりました。
手術前日に観た映画『潜水服は蝶の夢を見る』
この映画はELLEの編集長だったジャン・ドミニク・ボビーという方の実話で、当然全身麻痺が起こり、目を覚ますと身体が動かず、
動かせるのは左目だけになってしまうストーリー。
左目の瞬きだけで人と会話し、本を出版した方なのですが、映画を観た時にはただ感動してこの方に尊敬の念を抱いたのです。
レーシックをやってみて思う事は、二度とやりたくない行為。
そして無力化になった自分を思い返すだけでゾッとします。
片目しか動かなくなったジャン・ドミニク・ボビーはとてつもない恐怖心から逃げる事もなく、
真っ向から戦った。
たかが、数十秒の目の戦いでビビりまくった自分が少し恥ずかしくなりました。
長くなってしまったので、
続く。
嵐洋



