2008 長谷川恒男CUPで優勝した山本健一からのField reportです。
マイペースでいて攻める時は攻める、でも楽しみながら山の中を走るという彼の個性溢れるレースだったようです。彼にとってハセツネはレースであってレースでなかったのかもしれません。
以下レポートです。
今年はHAGLOFSにスポンサー契約していただき、メンタル面で大きな変化がありました。また今年は応援してくれる方々も増えつつ、プレッシャーを感じながらも、HAGLOFSの「全力でエンジョイ」という楽しい考え方が私の
競技に対する考え方に完璧にはまり、とても楽しんで競技することができたと思います。
さて、レースですが、やってしまいました。誰もが予想していなかった
ことを(もちろん自分も)。
大会新記録優勝。
今でもあまり実感は有りません。目を閉じて、よく考えると、「勝ったのか〜」
と何となく思えます。でも、今までにない満足感があり、嬉しく、ワクワク
した気持ちです。
レースを振り返ると、ついさっき終わったかのようにいろいろな場面を
鮮明に覚えています。スタートしてから10KmくらいはW-UPのつもりでゆっくり走りました。
スタート前はエネルギーをあまり使いたくなかったので、
ストレッチ程度にしておきました。5Kmくらいいったところで、誰かが塗って
いたのか、コパトーン(日焼けクリーム)のココナッツの甘い香りがプ〜ン
としてきて、これでスイッチが入りました。(私はこのニオイが大好きなの
です)できるだけ嗅ぎまくっていい気持ちになりました。最高でした。
この時点ではまだ女子に混じって走っていました。
本格的なトレイルに入いるとようやく人がまばらになってきました。第1関門はあっという間についてしまい、嵐洋さんが応援してくれていたので、全力で応えました。この応援が力になるのです。
第2関門までは比較的走りやすく気持ちの良いトレイルが続きました。
出発前に自宅で妻に、「調子が良かったら最初から抑えすぎずにとばしなさ
い!」というアドバイスをもらっていた訳ですが、それでもとばしすぎずに
余力をもって第2関門まで走りました。
第2関門につくと、A&Fの室田さん(VASQUE)が「トップと2分差の3位だぞ!!」と声をかけてくれ、水を1リットル補給しながら、「いけます!」と応えました。第二関門までのタイムを5時間と予定していましたが、10分以上早かったです。
しかしここからもマイペースで走りました。50Km過ぎで前を走っていた2名の選手を見つけたときは嬉しかったです。すぐに横に追いつき、奥宮選手に「誰ですか?」と聞かれたため自己紹介をしました。
その後ついにトップに立ち、「やべぇ、トップだー」って興奮していました。
第3関門にはノースの横山さんとほぼ同時についたのですが、私が一歩先に
足を出しチェックしてもらったため1位という結果が体育館に速報で流れたと
思います。
そこからは東京の夜景がキレイに見える日の出山で最大の雄叫びをあげ、
ゴールまで全力で体を動かしました。九月に一度、白馬アウトフィールドガイドクラブの江口さんとコースの下見を済ませていたので思いっきりとばせました。最高に気持ちよかったです。
ラスト1Km。アスファルトに出たとき、後ろを振り返り、誰もいなか
ったので「優勝できる!」と確信するとともに、
終わるのか・・・という思いを感じながら全力で走っていたのを覚えています。
そしてゴール。全力で飛び込んだため、勢い余ってカメラマンの壁に突っ込んでしまいました。あれはやばかった・・・
でも歓喜のダイブ、気持ちよかったです。
タイムを見ていなかったので後から聞いて、大会新だと知りました。
本当に嬉しかったです。
この大会に向けてかなりの時間を使い準備してきました。練習しているときは
優勝したい、って思いながら必死で練習しました。しかしレースでは優勝しようとは思いませんでした。これまでの経験からスタートラインに立ったときには結果は決まっているのだということがわかったからです。結果より過程が重要で、その過程で財産にしたものをどうやって全部引き出すかが一番大事っていうことが今回のレースでまた改めてわかりました。
結果が決まっているレースなら、「本番は楽しむしかないよなー」って感じです。
また、応援してくれている人たちを喜ばせたいと思いながら走っています。
これからも楽しみながら夢を追い続けていきたいと思います。
山本 健一



